| DDH143 しらね ピットロード 1/700 制作記 |
用意したキットはピットロード製で「しらね」と「くらま」を作ることができます。最近の1/700キットは手すり等のパーツをエッチング・パーツでディテール・アップする手法が広く使われています。かく言う私も、「霧島」と「明石」では慣れないパーツを使って細部まで作りました。しかし、今度の「しらね」は単純な作りを目指します。エッチング・パーツは一切使わないお手軽モデリングです。
艦底パーツにベース固定用のナット穴をあけます。小径ドリルしか手持ちがないので、穴あけ後はカッターでグリグリ削ってやすりで仕上げます。ナット固定には2液混合タイプの接着剤を使用しました。これなら一寸のことではナットが外れることはありません。
ピットロード製キットは箱組み方式が多いため、上部構造の組立てには角をきちんと合わせるようにします。ここが合っていないと修正するのに苦労するはめになります。また、垂直面パーツが合わなくなることもあります。
いよいよマストの工作です。この部分は艦船の中でも一番目立つ部分なので、丁寧に工作します。別売のエッチング・パーツを使用すれば簡単にディテールアップできますが、私は昔ながらの延ばしランナーで作りました。均一径のランナーを作るのは大して難しくはありませんが、コツは必要です。
キットのマストはベースと一体成形されているので、マストのみを切り離します。ベースは0.3mmのプラバンで作り直します。マストは左右のパーツを貼り合わせるようになっているので、艦首と艦尾方向のトラスを追加します。接着剤は少なめに付けてもプラ材同士なので簡単につきます。
船体ベースに組みあがったマストを接着しますが、この時にマストが曲がらないように注意します。組みあがった艦艇を見たときにここがしっかりしていないと気分が悪いものです。艦橋前部にある作業台も側面がトラス構造になっているので、パーツを基に採寸しランナーで組み上げます。
アスロックとシースパローは仰角が付くようにできますが、航行時の実艦では水平位置になっているようなので模型もそのようにしました。
艦船本体の組立が終わったので、展示台の組立にかかります。ベースとなる 波 はタミヤから発売されているアクリル板を使用します。この板は穏やかな波がモールドされていて、1/700スケールにピッタリと合います。
展示台は木製写真パネルの四つ切を使用しました。アクリル板を写真パネルのベースに合わせて切りだし、艦船に取り付けてあるナットの位置をアクリル板に写し取ります。そのマークの位置に合わせてアクリル板とベースにドリルで穴をあけます。穴位置は多少ずれても、やすりやカッターで強引に穴を広げることができます。
今回の設定は 「旭日を浴びて航行する しらね 」です。これはTVニュースで護衛艦が旭日を浴びて航行しているところが放送されたときに、私の脳裏に印象深く残ったシーンです。この部分を何とか模型で再現できないものかと作り始めました。
さて模型の塗装に入ります。朝日が当っていない影の部分はMrカラー米海軍艦艇色で、朝日が当っている部分はMrカラー#308で塗装しました。共に筆塗りで、明暗の違いを表現するためです。甲板の通行帯やヘリコプター甲板のラインは、ここでは塗装しませんでした。
いよいよ 旭日 の塗装をします。この部分はタミヤ・エナメルカラーのクリアーオレンジとイエローを混ぜて、エアブラシで塗装しました。塗装は片側からのみで慎重に行ないました。クリアーカラーは思ったよりも色の乗りが悪く、イメージ通りの旭日を表現するのに繰り返し塗装しました。しかし、影の部分にも塗料が回り込んだために思ったよりも時間がかかりました。このあたりが通常の塗装とは違うところでしょうか。
一通りエアブラシ塗装を終えて「しらね」を見ると正直ギョッとしました。いつもの色とは違う艦艇を見るのは、妙な感じがします。これは模型に対する固定観念が強いためだと自分に言い聞かせて、納得させることにしました。
艦艇の基本塗装が終わったら、次に細部塗装を筆塗りで行います。細部と言っても、ヘリコプター甲板と煙突の色を朝日が当った状態の色で塗り分けるだけです。具体的には、通常色にクリアーのオレンジ・イエローを混ぜた色で筆塗りしました。
塗装が終わったら波を付けます。展示台に艦船をねじで固定してから、波を付けていきます。波は紙粘土を使用しました。エポキシ・パテでもよかったんですが、使い勝手がいい方を選びました。
波を付けます。写真を参考に波を付けていきますが、これは思った以上にむづかしい作業でした。自然な波を作ることがこんなに困難だとは考えもしなかったものです。いくら写真を見てそのように作ろうとしても、いい感じが出ません。試行錯誤を重ねながらの繰り返し作業となりました。
最後は塗装です。これも艦艇と同じように旭日が当る部分をクリアーのオレンジイエローで筆塗りします。波の全部をこの色で塗るのではなく、白を一部残すようにしました。また、反対の影の部分は白のみで塗装します。これは、暗い海面でも波の白が目立って見えた私の経験からです。
完成した「しらね」を見ると、最初にイメージした旭日を浴びて航行するシーンが少しは再現できたと思いますが、いかがでしょうか。製作者は自らの思い入れから完成した模型を誇大に見る癖があるので、他の方の率直な感想をお聞きしたいところです。
さて、この「しらね」は作り始めてから完成するまでに1週間もかからない、私にとって最速モデリングでした。これは、このシーンの再現に対する割り切りと省略を考えた構成だから、可能だったことだと考えています。さて、次に作る艦船は何色で塗装しましょうか。